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3Dプリンターを買う?作る?それとも… 1

   2022年05月29日     7分で読めます

自作3Dプリンター

ジャンク産業ロボットからFDM方式3Dプリンターを作りました。予算、ニーズ、スキル、モラルは人によって異なると思いますが、自分の経験についてお話ししますので、何かしら参考になるかもしれません。 既にYouTubeビデオを公開していますので是非見てください。

概要

なぜ私に3Dプリンターが必要なのか?

3Dプリントされたオブジェクトは個々のニーズに合わせて変更できるため、損傷した部品の修理や家電製品のスペアの作成に役立ちます。これにより、既存の製品の寿命を延ばすことができます。また、廃棄物の量を減らせるでしょう。これは、国連の持続可能な開発目標の1つである「目標12:つくる責任、使う責任」の達成に貢献できると思います。そして、メーカーにとって、3Dプリンターは不可欠なものです。

FDM方式3Dプリンターのパーツ

デカルト座標FDM方式3Dプリンターのパーツについて簡単に説明します。

モーションメカニズム、XYZ軸

XYZ軸

押出機

押出機

コールドエンド

コールドエンド

ホットエンド

ホットエンド

ダイレクト式フィーダー

ダイレクト式フィーダー

電源

電源

コントローラー

コントローラー

操作パネル(UI)

操作パネル

買わずに作った理由

どうして、新品を買う代わりに作ることにしたのか?説明していきます。

要求仕様

私が必要とする3Dプリンターの仕様について

- 3Dプリントを始めたばかりなので、学習と実験のために手頃な価格である
- スペアパーツが手頃な価格で入手しやすいものである
- 自己維持可能
- メンテナンスが簡単
- 静か
- 家庭環境で安全に使用できる(発火しないこと!)

安いプリンターを探したところ、予算は約2万8000円でした。

共通問題点

安い3Dプリンターで起きる問題を調査し、必須の修正がないか、ある場合の時間と費用について確認しました。その結果、安い3Dプリンターのほとんどでこちらの問題や改善点を見つけ、アップグレードのコストを概算しました。

  • 非金属性押出機フィーダー関連問題
    • 原因
      • 非金属性であるため、数週間使用するとフィラメントが穴を侵食し、フィラメントが引きずられ、これにより、押し出し不足が発生します。
    • アップグレード / 改善
      • 金属押出フィーダーへのアップグレード。 2000円
  • 電源関連問題
    • 原因
      • 安価な電源を使用すると、さまざまな問題が発生します。 故障すると、ほとんどの場合、コントローラーや操作パネルに損傷を与え、場合によっては発火することもあります。
    • アップグレード / 改善
      • 信頼できるブランドの電源に交換。 5500円
  • 押し出し不足
    • 原因
      • PTFEチューブは摩擦が大きすぎて、押し出し不足になります。
    • アップグレード / 改善
      • ダイレクトドライブ押出機をアップグレード。(全ての3Dプリンターと互換性があるわけではありません。) 5000円
  • 押出機の詰まり
    • 原因
      • これは主に、ホットエンドのコールドサイドが適切に冷却されていないことが原因です。
    • アップグレード / 改善
      • より良い冷却をするためにコールドエンド表面を拡張。 より良い熱制御のための可変ファン速度制御。 500円
  • 騒音
    • 原因
      • 主な騒音源は、安価なモータードライブと最高速度で動作するパーツクーラーファンです。
    • アップグレード / 改善
      • モータードライバー、ダンパー、コントローラーのアップグレード(ファン速度制御) 5000円 + モータードライバー
  • ケーブル関連問題
    • 原因
      • ほとんどの安価な3Dプリンタには適切な配線がされていないため、ケーブル障害が発生します。 これは火事さえ引き起こす可能性があります!
    • アップグレード / 改善
      • ケーブル管理を行い、一部のコネクタと電源ケーブルを交換。 2000円

私にとって、これらのアップグレードや改善はマストです。合計20000円以上かかりそうです。

DIY or 購入の結論

2つの選択肢があります。

- 選択肢 1,  購入
  - 新しい安価な3Dプリンター            : 2万8000円
  - アップグレード              : 2万円
  - 合計                   : 4万8000円
- 選択肢 2,  DIY + アップグレード
  - アップグレード                       : 2万円
  - 機械関連                            : 2万円
  - 合計                              : 4万円

*価格は前後する可能性があります。

でも、ちょっと待って!SDGの目標12を考えると、製造されたすべての機械またはデバイスは、何らかの方法で寿命が来るまで再利用できる限り使用し、寿命が尽きたらリサイクルすべきです。これらについて考えているうち、3番目の選択肢があることに気づきました。もっと良い選択肢かも。

- 選択肢 3,  DIY + ジャンク3軸ロボット + アップグレード
  - ジャンク3軸ロボット                  : 8000円
  - アップグレード                       : 2万円
  - 合計                              : 2万8000円

とりあえずの計画

ジャンクの3軸ロボットを購入し、前述のようにアップグレードパーツを使用してその上に3Dプリンターを作り上げるのはどうかと。

長所と短所

選択肢3の長所と短所

  • 長所:
    • SDGsの観点では、これにより廃棄物の量を減らせる。
    • 勉強ができる。
    • 産業用ロボットを見つければ、位置決め精度が最高に良くなる。
  • 短所:
    • 購入やDIYオプションよりも時間がかかる。
    • 色々なトラブルが発生する可能性がある。モーター制御などのために追加回路が必要になる可能性がある。
    • ジャンクがジャンク過ぎて、まったく使えない可能性がある。

スキルとツール

必要なスキルとツール

  • 加工など
    • 穴あけとテーピング、部品の作成、切断、フライス盤などの基本的なスキル。
  • 電子回路
    • 電子回路を安全に接続するための十分な知識。
  • パソコン
    • オープンソースファームウェアのコンパイル(marlin)
  • プログラミング
    • 必要に応じて3Dプリンターファームウェア(marlin)のカスタマイズ。
  • 工具など
    • 必要な各分野のためのさまざまなツールとそれらを安全に使える知識。

キャリブレーションキューブ

話はまだ続きますが、この3Dプリンターでプリントした20mmのキャリブレーションキューブをお見せしましょう。

キャリブレーションキューブの測定

ちょっといわゆる象の足問題があります。まだすべてのキャリブレーションは完了していません。すでにお分かりのように、選択肢3を選び、そこそこの3Dプリンターになりました。

クローズアップ

制作過程など他の写真をインスタに載せています。私についてページからアクセスできます。

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何もないところからプロジェクトを立ち上げるのは、とても時間がかかるものです。私がこの様なプロジェクトに取り組み続け、皆さんに新しいコンテンツを提供できるよう、支援をご検討いただければ幸いです。

次の記事では

どのような問題に対処したか?どれくらいの費用がかかったか?パート2でそれらについて話します。

つづく…